以前から本を読むことが日課になっていて、常にカバンに何かしらの本を入れて生活するというのが当たり前の状態になっています。最近はKindle Paperwhiteを購入したので、紙の本を持ち歩く事は減りましたが、それでも何かしら手元に本を読める環境は作っています。

大学生の頃ぐらいから、毎日何かしらの本をスキマ時間があれば読んでいるので、数えていないので正確にはわかりませんが、1,000冊ぐらいは読んでいると思います。面白かった本、役に立った本もあれば、そうでも無いものもたくさんあったので、思い出しながら、本の紹介もしたいなと。その初回が今回の記事です。(実際には以前にもこのブログに書評の記事を書いていましたが、全部消えてしまったので)

今回は『お金の流れでわかる世界の歴史』という本についてです。

お金はいつから使われている?

お金の歴史というのは、想像しているよりも古く、紙幣という意味でいうと10世紀に中国で作られた『交子』というものですが、硬貨はその遥か昔のメソポタミア文明が栄えていた頃からあったのでは無いかと言われています。

その頃は当然、統一された通貨などはなく、極々狭い範囲でのみ有効なものではありましたが、価値の交換手段としてお金が使われてきたという意味で言うと、もう数千年の歴史になるということです。

テレビアニメのキングダムがちょうど今、加冠の儀の辺りを放送していましたが、後に始皇帝となる秦王嬴政と呂不韋が対話をするシーンで、人の本質について呂不韋が『お金』だと口にします。始皇帝の時代というと、紀元前200年代で、日本でいうと、邪馬台国の卑弥呼が250年ごろなので、それより400年以上前ということになります。

そんな時代からお金というツールを人類は利用してきたということです。

歴史はお金が動かしてきた

この本の中では、フランス革命、カトリックとプロテスタントの対立、スペインの無敵艦隊等の世界史で習う歴史のイベントが数多く紹介されており、その裏ではいつもお金の問題があったということを紐解いて解説してくれています。

教科書だと思想の対立だと書いている事でも、実際には経済的な問題から思想の対立を招いていたり、人の本質というのは、呂不韋が嬴政に説いた通り、お金が深く影響していると言えるなと感じました。もちろん、ミクロな視点で個々の人々を見ると、そうではないと思ったりもするのですが、マクロで考えると、歴史がそれを証明していると言えます。

教科書とは違う切り口で世界史が見えてくる

書籍に書かれていることは、客観的な事実だけではなく、主観的な考え方も含まれているので、全部がその通りなのかは分かりませんが、少なくとも、学校で習ってきた世界史とは異なる切り口から書かれているため、とても面白く、また自分の中の新たな視点の角度が得られたような気がします。

本を読むというのは、単純に知識を得るということだけではなく、それをベースに自分の中で咀嚼をして、考えを深めていくというのが大切で、そういう意味で考えても良い本ではないかと思います。シンプルに読み物としても大変面白いので、オススメです。

経済的な問題が影響するのは国も個人も同じ

この記事を書いている2022年9月時点では、コロナ禍をきっかけとして、インフレ、円安と経済的な影響が発生しています。日本政府としても、24年ぶりにドル売り・円買いの為替介入をして、円安に歯止めをかけようとしています。

このような状況に直面していると感じやすいと思いますが、やはり経済的な問題というのは、生きていく上での大きな関心ごとであり、多くの人の思考や行動に具体的に影響をしていると思います。

円安で言うと、対外通貨(主にドル)との相対的な価値として安くなってるわけで、半分がドル建て資産であれば、行ってこいで円換算の総資産は変わらないわけですね。もちろん収入を円で得ている場合は、その分は影響を受けることになるのですが、全て円建てで持っているよりは、少しは影響も小さくなります。

世界の歴史においての争い事の多くが、実はお金が原因だったということを、この本から学んだので、個人的な経済面の問題は出来る限りリスクヘッジしておきたいと思いました。

面白い本なので、ぜひ読んでみてください。

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